『白い服のやさしい死神』 白い服を着た死神がいた。 彼女はその風貌から仲間の死神たちからも異端視されていた。 彼女はその腕に鎌を抱きながら、その瞳に悲しみを宿していた。 人を自らの手であやめてしまう事に疑問を感じていたから。 『何故、人を殺さなければならないのか?』 理由は解っている。 彼女は死神。人の死を糧にして存在しているから、人を殺さないと存在できない。 彼女は悩んだ。そして考えた。考えて、考えて、考えた末にひとつの答えを見つけた。 自分が殺してしまった人に、せめて死後の世界で幸せになってもらおう。 死んでしまった人が未練を残さないように、手助けをしてあげよう。 それがせめてもの償いだから。 そんな彼女を見て、仲間が言った。 ある者は、何故そんなことをするのか?別に我々は悪い事をしているわけではないのに、と。 またある者は、それが摂理なのだから、悔いる事は無いだろう?と。 だが、彼女は仲間達に言った。 それでも、私は償いたいの。仕方ないとはいえ、命を奪ってしまったのは私であることに変わりないから・・・。だから、せめて殺してしまった人には最期に幸せな記憶を与えてあげたいの。と。 仲間達は呆れた。呆れてしまった。この『優し過ぎる死神』に。 だが、白い服を着た死神は彼らに言う。 悲しく微笑みながら・・・。 『コレが私の在り方だから』、と。